高額医療・高額介護合算療養費制度とは何ですか?毎年8月1日から翌年7月31日の1年間の医療と介護の自己負担を世帯で合算し、年額の基準額(70歳未満の年収区分ウで67万円、一般の70歳以上で56万円など)を超えた分が、500円を超える場合に支給されます
高額医療・高額介護合算療養費制度とは何ですか?
医療保険と介護保険の自己負担を1年分合算し、基準額を超えた分が支給される制度です。協会けんぽの「高額介護合算」のページには、世帯内の同一医療保険の加入者について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、基準額を超えた場合にその超過分が支給されると書かれています。
計算期間は8月1日から翌年7月31日です。東京都大田区のページには、計算期間が「1年間(8月1日~翌年7月31日)」と書かれています。月ごとの上限を決める高額療養費(ライフジャパンの2026年9月28日の記事「高額療養費の自己負担限度額は2026年8月からいくらになりますか?」で解説しています)とは別に、1年分の医療費と介護費の合計に基準額を設ける仕組みです。
対象になるのは、医療保険と介護保険の両方で自己負担がある世帯です。協会けんぽのページには、医療保険または介護保険の自己負担額が0円の場合は支給されないと書かれています。
合算できる自己負担と、合算できない自己負担は何ですか?
高額療養費や高額介護サービス費として支給された分、入院時の食事代、差額ベッド代は合算に入りません。協会けんぽのページには、高額療養費や高額介護(予防)サービス費の支給対象となった額は合算から除かれ、70歳未満の医療保険の自己負担は医療機関別、医科・歯科別、入院・通院別に21,000円以上のものが合算の対象で、入院時の食費や差額ベッド代は含まないと書かれています。
千葉県後期高齢者医療広域連合のページにも、対象外のものとして、差額ベッド代や食事代などの実費負担、高額療養費・高額介護(予防)サービス費として支給(予定)されたもの、同一世帯で後期高齢者医療制度以外の医療保険に加入している人の医療費負担が挙げられています。
| 項目 | 合算に入るか | 根拠 |
|---|---|---|
| 医療保険の自己負担(70歳未満は医療機関別・医科歯科別・入院通院別に21,000円以上のもの) | 入る | 協会けんぽ |
| 介護保険の利用者負担 | 入る | 協会けんぽ |
| 高額療養費・高額介護(予防)サービス費として支給された額 | 入らない | 協会けんぽ・千葉県後期高齢者医療広域連合 |
| 入院時の食事代、差額ベッド代 | 入らない | 協会けんぽ・千葉県後期高齢者医療広域連合 |
| 同一世帯で別の医療保険に加入している人の医療費負担(後期高齢者医療の場合) | 入らない | 千葉県後期高齢者医療広域連合 |
表の要点は、合算の対象は「同じ医療保険に加入している世帯員の自己負担」に限られ、すでに高額療養費などで戻る分と実費の食事代・差額ベッド代は外れることです。表はライフジャパンが2026年10月8日に、協会けんぽと千葉県後期高齢者医療広域連合の記載を1つにまとめたものです。
70歳未満の合算の基準額はいくらですか?
年収区分ウ(標準報酬月額28万〜50万円)の人は年額67万円です。協会けんぽのページには、70歳未満の基準額が区分アからオまで5段階で書かれています。
| 70歳未満の区分 | 区分の目安 | 年額の基準額 |
|---|---|---|
| ア | 標準報酬月額83万円以上 | 2,120,000円 |
| イ | 標準報酬月額53万〜79万円 | 1,410,000円 |
| ウ | 標準報酬月額28万〜50万円 | 670,000円 |
| エ | 標準報酬月額26万円以下 | 600,000円 |
| オ | 低所得(市町村民税非課税) | 340,000円 |
表の要点は、所得が高い区分ほど基準額が高く、区分アの212万円と区分オの34万円で6倍以上の差があることです。千葉県柏市の2026年9月18日更新のページにも、70歳未満の基準額としてア212万円、イ141万円、ウ67万円、エ60万円、オ34万円が書かれています。国民健康保険に加入している人の区分は、標準報酬月額ではなく所得で決まるため、加入先の市区町村に確認してください。
70〜74歳と75歳以上の合算の基準額はいくらですか?
70〜74歳の一般区分は年額56万円で、75歳以上の一般区分も56万円です。協会けんぽのページに70〜74歳の6区分の基準額が書かれ、千葉県後期高齢者医療広域連合のページに後期高齢者医療制度(75歳以上)の6区分が書かれています。
| 区分 | 70〜74歳(協会けんぽ) | 75歳以上(千葉県後期高齢者医療広域連合) |
|---|---|---|
| 現役並み所得者Ⅲ | 2,120,000円 | 2,120,000円 |
| 現役並み所得者Ⅱ | 1,410,000円 | 1,410,000円 |
| 現役並み所得者Ⅰ | 670,000円 | 670,000円 |
| 一般 | 560,000円 | 560,000円 |
| 低所得Ⅱ(区分2) | 310,000円 | 310,000円 |
| 低所得Ⅰ(区分1) | 190,000円 | 190,000円 |
表の要点は、70〜74歳と75歳以上で区分の名称は少し違っても、6つの区分の年額が同じ数字になっていることです。横浜市の2026年8月10日更新のページにも、現役並み所得者3が212万円、現役並み所得者2が141万円、現役並み所得者1が67万円、一般2が56万円、低所得者2が31万円、低所得者1が19万円と書かれています。千葉県後期高齢者医療広域連合のページには、区分1に当たる人で世帯内に介護保険の受給者が複数いる場合は、限度額の適用方法が異なることがあると書かれています。
70歳未満と70〜74歳が同じ世帯にいる場合は、先に分けて計算します。協会けんぽのページには、70〜74歳の人の自己負担を70〜74歳の基準額で先に差し引き、残りを70歳未満の自己負担と合わせて70歳未満の基準額で差し引き、2つの結果を足すと書かれています。
いくらから支給されますか?500円以下だと対象外ですか?
基準額を超えた金額が500円以下の場合は対象外で、501円以上から支給されます。協会けんぽのページには、超えた金額が501円以上の場合に限ると書かれています。千葉県後期高齢者医療広域連合のページには、限度額を超えた額が500円以下の場合は支給対象にならないと書かれ、東京都大田区のページにも同じ内容が書かれています。
たとえば、一般区分(基準額56万円)で75歳以上の夫婦の医療と介護の自己負担が年間で合計70万円なら、超えた14万円が支給の対象です。この70万円という金額は、計算を示すためにライフジャパンが置いた仮の数字です。医療保険と介護保険のどちらから何円が支給されるかの按分は、加入先が計算します。
申請はどう進めますか?
申請書1枚が、支給申請と自己負担額証明書の交付申請を兼ねています。協会けんぽの申請書の名称は「高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」で、提出先は加入している協会けんぽの都道府県支部です。協会けんぽのページには、紙の申請書は加入している支部へ郵送し、電子申請もできると書かれています。
後期高齢者医療では、案内が届くのを待ちます。千葉県後期高齢者医療広域連合のページには、支給対象となる可能性が高い人に案内と申請書が毎年発送され、届いたら市区町村の後期高齢者医療担当窓口で手続きすると書かれています。申請書の名称は「高額介護合算療養費等支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」です。大田区のページには、東京都後期高齢者医療広域連合から届いた申請書はすべて提出が必要と書かれています。横浜市のページには、申請は該当の年度ごとに必要で、申請書は支給対象の人に送られ、各区役所の保険年金課で受け付けると書かれています。
別の医療保険から移ってきた人は、前の保険の証明書が必要になることがあります。協会けんぽのページには、計算期間中に協会けんぽ以外の医療保険に加入していたときは、他の医療保険者が発行した自己負担額証明書が必要と書かれ、基準日の保険者が協会けんぽ以外の場合は、協会けんぽから自己負担額証明書の発行を受けて基準日の保険者に申請すると書かれています。基準日は計算期間の末日(7月31日)です。
介護保険側の自己負担額を、どの窓口で、どれくらいの日数で証明してもらうかは、ライフジャパンが開いた公式ページには書かれていませんでした。加入している医療保険者と、住んでいる市区町村の介護保険の窓口に確認してください。
申請期限はいつまでですか?
後期高齢者医療では、案内が届いてから2年です。千葉県後期高齢者医療広域連合のページには、勧奨通知を受け取ってから2年を過ぎると時効で申請できなくなると書かれています。大田区のページには「原則、申請書が届いてから2年経過すると申請ができなくなります」、横浜市のページには「申請のご案内が届いた日の翌日から2年を過ぎると、原則として時効となり、支給できなくなります」と書かれています。
協会けんぽや国民健康保険の期限の起算日は、ライフジャパンが開いた公式ページには書かれていませんでした。案内が届かない人もいます。千葉県後期高齢者医療広域連合のページには、対象期間に市町村をまたいで転居した人、他の健康保険から移ってきた人、県外の介護保険を利用している人は、案内が送付されないことがあると書かれています。該当する人は、案内を待たずに加入先に問い合わせてください。
2026年8月の高額療養費の見直しで、合算の基準額は変わりますか?
ライフジャパンが開いた資料では、変わるという記載は見つかりませんでした。厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」の本文に、高額介護合算療養費や合算の基準額に関する記載はありません。ライフジャパンが2026年10月8日に、この資料の本文を検索して確認した結果です。
見直しされたのは、月単位の上限額と年間上限です。千葉県後期高齢者医療広域連合の「令和8年8月診療分より」のページには、令和8年8月から世帯単位での年間上限額が新たに適用されると書かれています。合算の基準額の表は、横浜市(2026年8月10日更新)と柏市(2026年9月18日更新)のページで、この記事の表と同じ金額のままです。ただし、これは「変わらないと明記した資料」ではなく、「変更の記載が見つからなかった」という確認結果です。最新の金額は、加入先の保険者に確認してください。
2026年10月の時点で何を確認すればよいですか?
家族の医療保険の区分、計算期間(8月〜翌年7月)の自己負担の合計、申請書の案内の有無の3点です。まず家族全員が同じ医療保険に入っているかを確認します。次に、自分の区分の基準額と、医療と介護の自己負担の年間合計を比べます。最後に、2026年7月31日を基準日とする分の案内が加入先から届いているかを確認し、届いていない場合は問い合わせます。
この記事で確認した内容と確認日
ライフジャパンは2026年10月8日に、協会けんぽの「高額介護合算」のページと申請書の案内ページ、千葉県後期高齢者医療広域連合の「高額医療・高額介護合算療養費」(2025年4月1日更新)と「令和8年8月診療分より」のページ、東京都大田区(2026年3月9日更新)、横浜市(2026年8月10日更新)、千葉県柏市(2026年9月18日更新)のページ、厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」を確認しました。
支給額の計算例はライフジャパンが仮の数字で作ったもので、公式資料に書かれた数字ではありません。基準額、申請書の名称、受付先、案内の時期は加入している医療保険によって異なる場合があるため、申請前に協会けんぽ、健康保険組合、市区町村の国民健康保険窓口、後期高齢者医療広域連合に確認してください。
確認した公式資料
- 協会けんぽ「高額介護合算」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/high_cost_medical_expenses/003/index.html
- 協会けんぽ「高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」(年間の高額療養費申請の案内ページ) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r131/
- 協会けんぽ「高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」申請方法・提出先 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r120/
- 千葉県後期高齢者医療広域連合「高額医療・高額介護合算療養費」(2025年4月1日更新) https://www.kouiki-chiba.jp/site/seido/109.html
- 千葉県後期高齢者医療広域連合「(令和8年8月診療分より)高額療養制度の自己負担限度額が見直しされます」 https://www.kouiki-chiba.jp/site/seido/6256.html
- 東京都大田区「高額介護合算療養費」(2026年3月9日更新) https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/kokunen/kouki_k_iryou/kyufu/kougakukaigogassann.html
- 横浜市「高額介護合算療養費」(2026年8月10日更新) https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/kouki/iryo/koukigassan.html
- 千葉県柏市「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費・高額介護合算療養費の支給)」(2026年9月18日更新) https://www.city.kashiwa.lg.jp/hokennenkin/hokennenkin/kyufu/kogakuryoyohi.html
- 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」 https://www.mhlw.go.jp/content/001726232.pdf