治療・検診・運動の費用と制度を、公式資料の数字で確かめる

歯列矯正の費用は医療費控除の対象になりますか?年齢や目的からみて必要と認められる矯正は対象で、見た目を整えるための矯正は対象外です

2026-09-28 公開医療費と控除

歯列矯正の費用は、年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合に医療費控除の対象になります。国税庁のタックスアンサーNo.1128は、発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正を対象の例として挙げ、容ぼうを美化するための費用は対象にならないと示しています。金やポーセレンを使った治療費、治療のための通院費、小さい子供の付添人の交通費も対象です。歯科ローンで支払った場合は、信販会社が立替払をした年の医療費控除の対象になり、金利と手数料は対象外です。医療費控除の額は、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費の合計から、保険金などで補てんされる金額と10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を差し引いた金額で、上限は200万円です。ライフジャパンが2026年9月28日に国税庁の資料で確認した内容を整理し、矯正費用の金額別に控除額と税金が減る目安を計算しました。

歯列矯正の費用は医療費控除の対象になりますか?

必要と認められる矯正なら対象です。国税庁のタックスアンサーNo.1128には、発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は医療費控除の対象になると書かれています。

見た目を整えるための矯正は対象外です。国税庁の同じ資料には、容ぼうを美化するための費用は医療費控除の対象にならないと書かれています。同じ矯正治療でも、かみ合わせの改善が目的か、外見を整えることが目的かで扱いが分かれます。

大人の矯正でも目的で判断します。国税庁の資料は年齢だけで線を引いておらず、年齢や矯正の目的などからみて必要と認められるかどうかを基準にしています。かみ合わせの不具合を治す目的の矯正は、歯科医師の診断書などで治療目的を示せるようにしておきます。

保険がきかない自費の治療も対象になりますか?

対象になります。医療費控除は保険診療か自費診療かで区別していません。国税庁のタックスアンサーNo.1128には、金やポーセレンは歯の治療材料として一般的に使用されているため、これらを使った治療費は医療費控除の対象になると書かれています。

費用の種類医療費控除の扱い
必要と認められる歯列矯正の費用対象
容ぼうを美化するための矯正の費用対象外
金やポーセレンを使った歯の治療費対象
治療のための通院費(電車・バス)対象
小さい子供の通院に付き添う人の交通費対象
自家用車のガソリン代・駐車場代対象外
歯科ローンの立替払額対象(立替払をした年)
歯科ローンの金利・手数料対象外

表は国税庁のタックスアンサーNo.1128の記載をライフジャパンが整理したものです。自費診療でも治療目的であれば対象になり、交通費は公共交通機関の分だけが対象です。

通院の交通費はどこまで対象ですか?

電車やバスの運賃は対象で、自家用車の費用は対象外です。国税庁のタックスアンサーNo.1128には、治療のための通院費も医療費控除の対象になると書かれています。一方で、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代等といったものは医療費控除の対象にならないと書かれています。

付添人の交通費も対象です。国税庁の同じ資料には、小さいお子さんの通院に付添が必要なときなどは、付添人の交通費も通院費に含まれると書かれています。子供の矯正で保護者が毎回付き添う場合は、2人分の運賃を記録しておきます。

歯科ローンやクレジットで払った場合はどうなりますか?

信販会社が立替払をした年の医療費になります。国税庁のタックスアンサーNo.1128には、歯科ローンで支払った場合は信販会社が立替払をした金額が、その患者のその立替払をした年の医療費控除の対象になると書かれています。分割で返済する年ではなく、ローン契約で歯科医院に支払われた年で申告します。

金利と手数料は対象外です。国税庁の同じ資料には、歯科ローンに係る金利および手数料相当分は医療費控除の対象にならないと書かれています。ローンの契約書で、治療費の元本と金利・手数料を分けて確認します。

医療費控除の額はどう計算しますか?

支払った医療費から、補てんされる金額と10万円を引いた額です。国税庁のタックスアンサーNo.1120には、医療費控除の額は、実際に支払った医療費の合計額から保険金などで補てんされる金額を引き、さらに10万円を引いた金額で、最高200万円と書かれています。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに総所得金額等の5%を引きます。

対象期間はその年の1月1日から12月31日までです。国税庁の同じ資料には、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が対象と書かれています。矯正の治療が2年にまたがる場合は、支払った年ごとに分けて計算します。

家族の分を合算できます。医療費控除は自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が対象です。子供の矯正費用を親が支払った場合は、支払った親の医療費控除として申告します。

矯正費用がいくらなら税金はいくら減りますか?

矯正費用80万円なら、所得税率10%の人で所得税が7万円、住民税が7万円減る計算です。ライフジャパンが2026年9月28日に、国税庁の計算式(支払額から10万円を引く)と所得税率、住民税率10%から計算した目安です。保険金などの補てんはないものとしています。

矯正費用(その年に支払った額)医療費控除の額所得税率5%の人所得税率10%の人所得税率20%の人
30万円20万円所得税1万円+住民税2万円所得税2万円+住民税2万円所得税4万円+住民税2万円
50万円40万円所得税2万円+住民税4万円所得税4万円+住民税4万円所得税8万円+住民税4万円
80万円70万円所得税3万5,000円+住民税7万円所得税7万円+住民税7万円所得税14万円+住民税7万円
100万円90万円所得税4万5,000円+住民税9万円所得税9万円+住民税9万円所得税18万円+住民税9万円

表はライフジャパンが計算した目安で、国税庁の資料に一覧として載っているものではありません。復興特別所得税や他の控除、総所得金額等が200万円未満の場合の5%の扱いは反映していません。所得税は確定申告後に還付され、住民税は翌年度の税額から減ります。

減る税金は税率で決まります。同じ80万円の矯正でも、所得税率が5%の人と20%の人では所得税の減り方に10万5,000円の差があります。共働きで矯正費用を負担する場合は、所得税率の高い人が支払って申告するほうが減る税金は大きくなります。

申告には何が必要ですか?

医療費控除の明細書を確定申告書に添付します。国税庁のタックスアンサーNo.1120には、医療費控除を受けるには医療費控除の明細書を確定申告書に添付する必要があると書かれています。領収書は提出しませんが、確定申告期限等から5年を経過する日までは税務署から提示または提出を求められることがあるため保管します。

セルフメディケーション税制とはどちらか一方です。国税庁の同じ資料には、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は選択適用で、どちらか一方しか受けられないと書かれています。矯正費用のように10万円を大きく超える支払いがある年は、通常の医療費控除を選びます。

矯正の申告で保管しておく書類は何ですか?

治療目的がわかる書類、領収書、交通費の記録の3つです。国税庁の資料は治療目的の矯正を対象にしているため、かみ合わせの治療が目的であることを歯科医師の診断書や治療計画書で示せるようにしておきます。領収書は治療費とローンの金利・手数料が分かれているものを保管します。

  • 歯科医師の診断書または治療計画書を保管します。年齢や目的からみて矯正が必要と認められることを示す書類です。
  • 歯科医院の領収書を支払った年ごとに保管します。ローンの場合は信販会社が立替払をした年で分けます。
  • 通院した日付と区間、運賃を記録します。付添人の分は別に記録し、自家用車の費用は含めません。

3つの書類はいずれも、税務署から提示を求められたときに医療費控除の明細書の内容を裏付けるものです。

2026年9月の時点で何を確認すればよいですか?

今年支払った矯正費用の合計と、ローンの立替払日を確認します。2026年中に信販会社が立替払をした金額は2026年分の医療費です。2027年1月以降に契約する場合は2027年分になります。

次に治療目的の記録を歯科医院に確認します。かみ合わせの改善が目的であることを診断書や治療計画書に書いてもらえるかを、治療の開始前に聞いておきます。

最後に家族の医療費をまとめます。矯正費用に加えて、家族全員の通院費や薬代を合算すると控除額が増えます。医療費控除の明細書は医療を受けた人ごと、医療機関ごとに集計して作ります。

この記事で確認した内容と確認日

ライフジャパンは2026年9月28日に、国税庁のタックスアンサーNo.1128「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」とNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」を確認しました。いずれも令和8年4月1日現在の法令等に基づく内容です。

矯正費用の金額別に減る税金の目安は、ライフジャパンが国税庁の計算式と税率から計算したものです。国税庁の資料に載っている金額ではありません。個別の矯正が医療費控除の対象になるかどうかは、治療内容によって判断が分かれるため、所轄税務署または税理士に確認してください。

確認した公式資料